相場のボラティリティに着目するのはハイローオーストラリア(Highlow.com)で取引を判断するための重要な観点です。
ボラティリティの高さがわかると取引して勝てる可能性が高いチャートなのかを見極められます。
チャート分析をするのはハイローオーストラリアで取引をする際には常套手段なので、ボラティリティは欠かせない指標だと言えます。
価格の動きがどのくらい激しいかのことです。
あまりにもボラティリティが低いと価格がほとんど動かず、どちらに動くのかを予測するのが困難になります。
テクニカル分析ではボラティリティを調べるのに使うバンド状のインジケーターとしてATRチャネルとボリンジャーバンドがあります。
バイナリーオプションの取引手法ではボリンジャーバンドを使ってボラティリティを評価することが多いですが、ATRチャネルも株式市場や商品市場の相場分析によく用いられている指標です。
どちらもボラティリティがわかるのでどちらか一方だけ使えれば十分と思っていた人もいるでしょう。
本当にATRチャネルとボリンジャーバンドは同じようなものだと捉えていて大丈夫なのでしょうか。
この記事ではハイローオーストラリアで勝率を上げるためのアプローチとしてボラティリティに着目し、ATRチャネルとボリンジャーバンドの違いを掘り下げて解説します。
目次
ATRチャネル・ボリンジャーバンドとは
始めにATRチャネルとボリンジャーバンドがどのようなインジケーターなのかを簡単に確認しておきましょう。
どちらも中心線と最大6本からなるバンドを表示するのが特徴です。
ここではATRチャネルとボリンジャーバンドがどのようにして計算されているバンドなのかを中心に解説します。
ATRチャネル
ATRチャネルはボラティリティの指標として使われているAverage True Range(ATR)と指数平滑移動平均線を組み合わせたインジケーターです。
ATRチャネルは指数平滑移動平均に一定の係数を掛けたATRを加算または減算することでバンドを作ります。
ATRはTR(True Range)の指数平滑移動平均です。TRは前日から当日にかけての値動きの最大幅を示す指標になっています。
ATRが大きいと値動きの幅が大きいのでボラティリティが大きいと判断できるでしょう。
一般的には中心線に対して±1.4ATR、±2.8ATR、±4.2ATRという形でバンドを作っています。
そのため、ボラティリティが大きいときほどバンドの幅が広がります。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは確率指標としてよく用いられている標準偏差σと単純移動平均線を組み合わせたインジケーターです。
ボリンジャーバンドでは中心線に±1σ、±2σ、±3σのバンドを表示するのが一般的になっています。
標準偏差は各価格と平均値の差を取って二乗した数の総和を取り、さらに平方根を取って計算します。
つまり、価格と平均値の差が大きいケースが多いときほど標準偏差は大きくなります。
標準偏差はばらつきの指標となり、標準偏差が大きく、ボラティリティが大きい相場ほどバンドの幅が広がります。
なお、移動平均±1σの範囲には68.27%で入りますが、±2σなら95.45%、±3σなら99.73%になるのが特徴です。
ボラティリティの定義に関する違い
ATRチャネルとボリンジャーバンドはどちらもボラティリティがわかるバンドです。
バンドが広がっているときにはボラティリティが高い相場になっているのに対し、狭くなっている際にはボラティリティが低い相場だと判断できます。
ただ、両者の計算方法からわかるようにボラティリティの定義が異なるので注意が必要です。
ボラティリティの指標がATRチャネルではATRなのに対して、ボリンジャーバンドでは標準偏差です。
ATRは前日の終値から当日の終値にかけての最高値と最安値の幅の指数平滑移動平均です。
幅の広さが重要であってばらつきは関係がありません。それに対して標準偏差は平均値から外れている傾向が強いほど数値が大きくなります。
ATR→幅の広さを見る
ボリンジャーバンド→幅のばらつきを見る
似ているようではあるものの、平均から外れていれば極端に大きな値や小さな値がなくても標準偏差は大きくなります。
逆にATRはほとんどが平均値に近かったとしても一瞬だけノイズのように高値や低値を付ければ大きな値になります。
このようにATRは価格が動いた幅を見るのに対して、標準偏差は価格の分布のばらつきを見ているのが違いです。
幅とばらつきには関連性が全くないわけではありませんが、どちらを見ているかが違うということは念頭に置いておきましょう。
移動平均に関する違い
ATRチャネルとボリンジャーバンドでは移動平均の取り方も異なっています。
ATRチャネルでは指数平滑移動平均を使うのに対して、ボリンジャーバンドでは単純移動平均を使います。
指数平滑移動平均は当日の値を二倍にして重みを付ける移動平均の取り方です。
そのため、ATRチャネルでは目下の変化を見やすいのに対して、ボリンジャーバンドの方が長期的なボラティリティの変化を見るのに適していると考えられるでしょう。
必要があればATRチャネルを単純移動平均で計算したり、ボリンジャーバンドを指数平滑移動平均で表示したりすることも可能です。
ただ、統計的な計算方法を取っているボリンジャーバンドでは当日の値を2倍にして使うことで恣意性のあるバンドになるでしょう。
一般的な投資家が単純移動平均で計算したボリンジャーバンドを使用していることも考慮して、そのままの設定で使うのがおすすめです。
ATRチャネルについては単純移動平均で計算してもこのような歪みはありません。
ただ、値動きの幅に着目してこれからの価格の推移を予測するのに使うと考えると、直近の値動きに重みを付けて計算するのは合理的でしょう。
急激な変化が起こっているときに敏感に察知してくれるからです。
ATRチャネルについてもあえて単純移動平均で計算する意味があまりないと考えられます。
ハイローオーストラリアで実用上の違いはあるのか
ハイローオーストラリアでATRチャネルとボリンジャーバンドを使おうとしたときに、実用上の違いがあるのでしょうか。
ボラティリティでは価格が動いた幅を見ているか、分布のばらつきを見ているかが違うものの、互いに関連性を持っているのは確かです。
移動平均の計算の仕方が違うことで感度に違いは生じていますが、バンドとしての使い方に違いが生じるほどなのでしょうか。
ボラティリティを見る上ではほぼ同じ
実はボラティリティを見るという点ではATRチャネルとボリンジャーバンドには大差がありません。
具体的にどのような分析が可能かを見ていきましょう。
まず、バンドのスクイーズとエクスパンションによってボラティリティの減少と増加を確認できる点は全く同じです。
スクイーズからエクスパンションが起こったときにはレンジ相場からトレンド相場に変わることが多く、トレンドの開始点を狙ったトレードが可能です。
そして、エクスパンションからスクイーズに向かって収束していくとトレンド相場が終わりを迎えるという点でも同じです。
そのため、相場のボラティリティを見るという観点ではほとんど同じようにして使えます。
ただし、指数平滑移動平均を使っている分だけATRチャネルの方が若干早くスクイーズやエクスパンションを見て取れるのが一般的です。
次にローソク足のバンドタッチやバンドウォークについて考えてみましょう。
ローソク足が±2ATRライン~±3ATRライン、±2σライン~±3σラインに触れたり、これらのラインに沿って動いたりしたときにはバンドタッチ、バンドウォークと呼びます。
この際には価格の動き方を予測できる経験則がありますが、この点も両者でほぼ共通しています。
例えば
スクイーズを起こしているレンジ相場のときにローソク足が2ATRラインや2σラインにタッチしたときには反発を受けてバンド内に戻ってくるのが一般的です。
しかし、その際にスクイーズを抜け出してエクスパンションが起こっている場合にはレンジブレイクが起こりやすく、その方向にトレンドが発生すると予想できます。
一方、エクスパンションが起きているときに2ATRラインや2σラインに到達し、バンドウォークをした場合にはトレンドの発生または継続と考えることが可能です。
このようにバンドとローソク足の関係についてもほとんど同じ考え方を適用できます。
ただ、ATRとσの大きさには違いが生じるため、バンドタッチやバンドウォークは全く同じタイミングで観測されるわけではありません。
一方がバンドタッチをしたタイミングで他方はバンドタッチしないというケースも十分にあり得ます。
感度の違いの影響もあるのでどちらが先に動くかは相場によって異なります。
ATRチャネルでもボリンジャーバンドでもダマシが起こることが知られているので、どちらが正しいと簡単に言えるわけではありません。
あくまでトレードするときの根拠の一つとして使う必要があります。
ハイローオーストラリアでの実用上は違う!
ボラティリティを見るという観点でATRチャネルとボリンジャーバンドを比較してみるとそれほど違いがあるように見えません。
しかし、ハイローオーストラリアで使うときには違いが生じるので注意しましょう。
スクイーズからエクスパンションが始まったとき、バンドタッチをしたとき、バンドウォークが始まってから数本目のときはエントリーするタイミングとしてよく知られています。
ATRチャネルとボリンジャーバンドではこのタイミングがずれるので、どちらかでは勝ちやすくどちらかでは負けやすいということがあり得るのです。
価格が動く幅が大きい相場ではATRの感度が高く、売買の拮抗が著しくて値動きのばらつきが起こりやすい相場では標準偏差の感度が高くなります。
ボラティリティの感度が高いとバンドが広がりやすいため、バンドタッチやバンドウォークは起こりにくくなります。
チャンスは少なくなりますが、バンドタッチやバンドウォークの信頼性が高まるでしょう。
また、ボラティリティの感度が高いとエクスパンションやスクイーズが早く起こり始めます。
エントリーすべきタイミングをいち早く察知できる代わりに、ダマシも発生しやすくなるので注意が必要です。
このように相場のボラティリティの特性がわかると、自分のトレードスタイルに合っている感度のインジケーターを選択できます。
この使い分けができると予想が当たる確率も上がり、エントリーできるチャンスも増えていきます。
一般的には通貨ペアと時間帯の組み合わせで値動きの特性は判断できます。
いつも取引する時間帯が同じなら、同じ通貨ペアを使って特性を把握していきましょう。
そして、自分が使いやすい方のインジケーターを表示して取引するのが理想的な使い方です。
ATRチャネルとボリンジャーバンドは併用可能?
ハイローオーストラリアで取引をしているトレーダーにはインジケーターを併用している人も大勢います。
勝率上げるための方策として有効と言われていますが、ATRチャネルとボリンジャーバンドを同時に使ったらどうなるのかが気にならないでしょうか。
どちらも同じようなものなら一方だけ使えば良いという考え方もあります。
しかし、同時に使ったら何かもっと良い取引手法が見出せるのでないかと考えるのも鋭い視点でしょう。
併用した場合にはATRチャネルとボリンジャーバンドが一致するパターンと、一致しないパターンが想定されます。
ほぼ一致するのは意味がある?
二つがほぼ一致するケースでは併用の意味がないと思いがちです。
しかし、どちらのインジケーターを使っている投資家も、同じタイミングでバンドタッチやバンドウォークを見ることになります。
その売買の動きが一点に集中するため、よりサインに応じた値動きが起こりやすい相場です。
この際にはATRチャネルとボリンジャーバンドのどちらを使ってもトレードが成功しやすいでしょう。
ほとんど一致しないのは意味がある?
両者があまり良い一致をしていない場合には値動きの予測が難しくなります。
バンドタッチをするタイミングがATRチャネルとボリンジャーバンドのどちらを見ているかによってずれるからです。
また、大きく二つが外れているときには、ばらつきは小さいのに値幅は大きい、あるいはばらつきが大きいのに値幅は小さいということになります。
前者の場合にはボリンジャーバンドが内側に常に入る形になり、ノイズがあっただけであまりボラティリティが高くないリスクがあります。
後者の場合にはATRチャネルが内側にあり、平均値から小さく外れた拮抗関係が生まれているとわかります。
ボラティリティが高くないものの、いつ拮抗が敗れるかわからない不安定な相場です。
どちらの場合にもあまり取引には向かないので、様子を見るべき相場だとわかります。
このようにATRチャネルとボリンジャーバンドは併用するとボラティリティを正確に把握できるメリットがあります。
分析に余力があるなら両方とも見てみて予測が当たりやすい相場かどうかを見極めるのがおすすめです。
まとめ
ハイローオーストラリアでボラティリティを評価して取引判断をするのにATRチャネルとボリンジャーバンドをどのようにして使ったら良いかが理解できたでしょうか。
ATRチャネルとボリンジャーバンドでは細々とした違いこそあれ、ボラティリティを見るだけなら使い方には大差はありません。
ただ、ボラティリティの評価に使う指標が違うのでバンドの形状は一致することはないので注意しましょう。
ハイローオーストラリアでの取引結果には違いが生じるからです。
相場のボラティリティを見るだけならATRも標準偏差も使えますが、エントリーのタイミングを見つけるのに使うなら違いを意識することが肝心です。
相場の状況によってATRチャネルとボリンジャーバンドでは感度が違います。
この点に着目すると高い精度のトレードができるようになるでしょう。一方にこだわらずに両方を使い分けていくのがおすすめです!
自分のトレードスタイルによく合う方がどちらかも見極めると取引判断もスムーズになるでしょう。