ハイローオーストラリア(Highlow.com)で稼いでいる投資家の中にRSIを知らない人はいないというほど、RSIは有名なテクニカル指標です。
一本線で表示されるので見た目でわかりやすいインジケーターなのが特徴で、初めて選んだオシレーター系インジケーターはRSIだったという人も大勢います。
RSIはどの市場のテクニカル分析でも重要なポジションを占めています。
ただ、RSIは高ければ買われすぎ、低ければ売られすぎだと覚えて、そのまま使っているだけの人もいるでしょう。
もう少し勉強してRSIを使いこなせるようになろうと意味を調べてみると、計算式が2つ存在しているのに気付きます。
2種類あるとなると使い分けなければ意味がないと思うかもしれません。
この記事では二つのRSIについてわかりやすく解説し、ハイローオーストラリア稼ぐために使い分けが必要なのかどうかを考察します。
使い方も簡単に紹介するので上手にRSIを使えるようになりましょう。
目次
2つのRSIとは?
RSIは相対力指数(Relative Strength Index)という指標で、概念的には値動きの総幅のうちで、値上がり幅がどのくらいだったかを示すものです。
その概念はそのままにして二通りの計算方法が生み出されています。カトラーのRSI、J.W.ワイルダーのRSIと呼ばれる二種類の方法です。
カトラーのRSIはシンプルでわかりやすいでしょう。
一定期間の値上がり幅の平均値A、一定期間の値下がり幅の平均値Bを用いると、RSIは次のようにして計算されます。
RSI=A/(A+B)×100
分子が値上がり幅の平均、分母が値動きの総幅の平均になっています。つまり、カトラーのRSIは値上がり幅と値下がり幅の単純移動平均に基づいて計算された指標です。
一方、ワイルダーのRSIの計算式は以下のようになります。最初のRSIの値は同じですが、n期間のRSIはA‘、B’を前項から計算した値です。
RSI=A/(A+B)×100
RSI=A’/(A’+B’)×100
A’=(n-1期間の値上がり幅の平均値×(n-1)+当日の値上がり幅)/n
B’=(n-1期間の値下がり幅の平均値×(n-1)+当日の値下がり幅)/n
計算式にすると複雑に見えますが、端的に言えばn-1期間の指数平滑移動平均を取っています。
n-1期間の値上がり幅をn-1倍すると、n-1期間の値上がり幅の合計値に一致します。
それにさらに当日の値上がり幅を足して加重をかけ、項数が増えた分を加味してn-1ではなくnで割って平均にしたのがA’です。
同様にしてB’も計算されているので、ワイルダーのRSIは値上がり幅と値下がり幅の指数平滑移動平均を用いて求めていると言えます。
単純移動平均と指数平滑移動平均では、当日に重みを付けるかどうかが異なります。
指数平滑移動平均の場合には当日の値を2倍にして使用しているので、直近の値上がり幅と値下がり幅の影響を大きく受けることになります。
特に期間が短いときほど2倍にした影響が大きくなるので、カトラーのRSIとワイルダーのRSIにも違いが生じてきます。
もともとワイルダーのRSIではn期間で計算するとn-1期間の指数平滑移動平均になるので、カトラーのRSIよりも感度が高いインジケーターになっていると言えるでしょう。
どちらのRSIを使うべき?
二つのRSIがあっても基本的には見ているものは同じで、値上がり幅が値動きの総幅に対してどのくらいの割合を占めていたかを平均化して計算できます。
どちらを使った方が良いのかとまず悩む人も多いでしょう。
今までMT4でRSIを表示してきたなら、使用してきたのはワイルダーのRSIです。
他の分析ツールでも標準搭載されているRSIはワイルダーのもののケースが大半を占めています。
もともとRSIはワイルダーによって開発されたインジケーターなので、そのRSIが選ばれるケースが多いのでしょう。
https://www.andscene.jp/mt4-is-essential-for-technical-analysis.htmlそのため、他の人が使っているという意味ではワイルダーのRSIを選んでおくのが無難です。
他の人が使用している場合には売買の判断に使われているケースが多いと考えられるからです。
RSIは逆張りに用いられるオシレーター系インジケーターで、70%~80%を基準にしてRSIが大きければ買われすぎと見なし、20%~30%を下回ったときには売られすぎと判断します。
その判断で逆張りの買いや売りの注文が殺到することが多く、その注文によって値動きが引き起こされるケースが多々あります。
ワイルダーのRSIとカトラーのRSIは平均の仕方が違うので数値はずれます。
そのため、より投資家の売買のタイミングを見計らいやすいワイルダーのRSIの方が使いやすいと考えられるのです。
どちらのRSIが優れている?
どちらを使うかで悩んだ場合にはワイルダーのRSIの方が良いかもしれませんが、どちらが優れているかという点で比較すると優劣はつけられません。
人によってはカトラーのRSIの方がスムーズに使いこなせる可能性も十分にあります。
ワイルダーとカトラーのRSIで大きく異なるのは、直近の値上がり幅、値下がり幅を他と同等に扱っているかどうかです。
◆ワイルダーのRSI:感度が高いがダマシの発生率も高い
◆カトラーのRSI:感度は鈍いがダマシが起こりにくい
ワイルダーのRSI
指数平滑移動平均を使っているワイルダーのRSIの場合には直近に大きな値上がりがあると急激に大きくなり、大きな値下がりをすると急激に小さくなります。
直近には値動きがほとんどなかった場合にはそれほど違いが生じませんが、大きな値動きをしている相場ほどRSIの違いが大きくなるのが計算式からわかるでしょう。
そのため、ワイルダーのRSIの方が感度は高いですが、直近の値動きだけでRSIが大きく動くこともあるため、ダマシの発生率も高くなります。
カトラーのRSI
カトラーの場合には直近の値動きに重きが置かれていないことから、サインが出たときにはもう値動きが起こった後だったということもあり得ます。
つまり、感度を犠牲にしてダマシが起こりにくいようになっているのがカトラーのRSIです。
RSIはダマシが多いから他のインジケーターと組み合わせるのが基本とよく言われています。
これはワイルダーのRSIを使っていて、指数平滑移動平均により直近の値動きの影響を大きく受ける指標として使っているからです。
そのため、いつもRSIでダマシに遭っていて予想が当たらずに苦労しているのなら、カトラーのRSIを使ってみると良いかもしれません。
しかし、普段からワイルダーのRSIに慣れているのにカトラーのRSIを同じように使おうとすると、あまりにも感度が低すぎてエントリーポイントを逃してしまうでしょう。
どちらが優れているということはできず、それぞれに応じた条件を決めてエントリーの仕方を探る必要があります。
使い分けを意識するのではなく、使いこなすことを意識するといいです。
カトラーのRSIはMT4には標準のインジケーターとして搭載されていません。
確かにあまり見かけません。
MT4で使うためにはメタエディターを使ってインジケーターを作らなければならないのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、カトラーのRSIは有名なので既に作成して公開されています。
日本語のサイトからもダウンロードできるので、興味を持った人は手に入れてみて下さい。
MT4は標準ではないインジケーターも自由に作成・ダウンロードしてテクニカル分析に使えるのが魅力です。
もし他にも気になるインジケーターがあるなら、自作したりダウンロードしたりして使ってみましょう。
ハイローオーストラリアではRSIは使い分けるより使いこなそう
カトラーとワイルダーのRSIは優劣をつけることはできません。
感度の高さとダマシの多さをどのように捉えるかによってどちらが良いかは異なるでしょう。
相場の動向を見て感度が必要そうだからワイルダーのRSIを使おう、ダマシが多そうだからカトラーのRSIで安全に取引しようと考えることもできないわけではありません。
経験則で使い分けを行わなければならないので、カンのいい方ならできるかもしれませんが、普通は無理に近いと思います。
確かに取引時間や取引時刻、通貨ペアなどの選び方によっては、どちらかを選んだ方が予測しやすく、騙されにくいトレードができるかもしれません。
ただ、厳しい使い分けをしていくよりは、どちらかを使いこなすという発想の方がよほど堅実です。
RSIは1本のラインで示されるインジケーターなので解釈できることが無数にあるわけではありません。
単純にはRSIが一定値以上、一定値以下か、上昇しているか下降しているか、ダイバージェンスが起きているかといった点でしょう。
感度が高すぎるなら基準とする値を上下させたり、上昇や下降の始まる点では慎重にトレードしたりすれば良いと考えられます。
ここではハイローオーストラリアでの使いこなし方のパターンを三つ紹介します。
RSIの使い方は幅が広いので、上手に使える考え方を把握しておきましょう。
相場が転換する状況になっているかを確認
一つ目はエントリーのタイミングを見計らうのには使用せず、相場が転換する状況になっているかを確認するためのインジケーターとする方法です。
相場を見るときにはまずRSIを表示し、RSIが70%以上なら買いが優勢、30%以下なら売りが優勢という定石的な判断をします。
この状況なら投資家が売りの判断をする可能性が高いでしょう。
そして、移動平均線や他のオシレーター系インジケーターなどを使ってエントリーのタイミングを探します。
エントリーのときには相場の様子に応じてRSIが70%以上では不安ということもあります。
その際には80%以上を条件にしたり、ダイバージェンスが起こっていることも条件に加えたりしてエントリーの可否の裏付けを厚くするのが効果的です。
最近のチャートを見てみるとどのような判断で売買が起こっているかがわかるので、過去の状況を分析してからトレードを始めると良いでしょう。
この場合にはワイルダーのRSIの方がエントリー可能なチャートを見落とさずに済みます。
感度が高いので、まずは候補となるチャートを大雑把に選び出せるのです。
エントリータイミングの決定
二つ目は詳細な条件設定をしてエントリーのタイミングを決めるのに使う方法です。
RSIが70%以上になったからすぐに売り傾向が生まれるからローエントリーというのは安直すぎます。
ワイルダーのRSIでは感度が高すぎてダマシに遭いやすいので50%しか勝てないかもしれません。
そのため、75%や80%をボーダーにして取引する方法もありますが、相場によってはそこまで数値が上がらずにいつも70%付近で折り返してしまうケースもあります。
このような際には値上がり幅の割合が大きい状況から脱却し始めた段階を狙う手法があります。
例えば、70%以上になったときはエントリーのタイミングとせず、70%以上から70%ラインを下向きにクロスした瞬間を選ぶというのが典型例です。
ワイルダーのRSIの感度を活用しているのがこの方法の特徴で、70%を割った段階でも次足くらいまでは売ろうとする投資家が続いて現れるはずだという予測に基づいています。
状況によっては逆張りではなく順張りのエントリーになることもありますが、相場の動く方向が切り替わるタイミングを狙うという点でRSIの持ち味を生かしています。
このような基準を設ければRSIで勝率の高いエントリーをしやすくなります。
重要なのは基準の設け方をRSIの種類に合わせて決めることで、自分がどちらを使うかを決めておかないと判断が難しくなります。
その意味でも使い分けをするよりも使いこなす方が重要です。
投資家が売買するポイントの見分け
三つ目はワイルダーのRSIを利用して、投資家が売買するポイントを見分けるための参考に使うのに専念するやり方です。
RSIが70%以上で価格は上がりすぎ、30%以下で価格が下がりすぎな相場になったと判断するのが常識です。
すぐに売りたい、買いたいという人が多い相場ではRSIが70%、30%のラインにクロスしたら次足はきっと反発が起こります。
しかし、まだ様子を見たい、値動きが同じ方向に続くと期待したいと思っている人が多い場合には、次足で反発を受けたとしても持ち返してしまって価格が同じ方向に進むでしょう。
このような投資家の売買の思惑が衝突するのがRSIが70%、30%のラインだと考えるのがこの方法です。
これまでの値動きの様子や他のインジケーターが示している値、さらには社会情勢などを加味すると、投資家の思惑が読めることもよくあります。
それに基づいて70%にクロスした時点でローエントリー、30%では不十分だから20%に到達することがあったらハイエントリーといった形でエントリーします。
最も高度な手法ですが、相場をきちんと理解できているとRSIのみでもトレードができます。
まとめ
RSIにはカトラーとJ.W.ワイルダーの考案した2種類がありますが、一般的なのはワイルダーのRSIです。
特にこだわりがないのなら、ハイローオーストラリアではワイルダーのRSIを使うことをおすすめします。
ワイルダーのRSIでは指数平滑移動平均を使用しているので、単純移動平均を使っているカトラーのRSIに比べて感度が高いのがメリットです。
しかし、感度を優先するあまりにダマシに遭いやすい性質もあります。
感度の高さを重視すればハイローオーストラリアではエントリーチャンスが増えるので稼ぎやすくなるでしょう。
ダマシに遭わないように他のインジケーターも使って確度を上げれば勝利は上げられます。
ハイローオーストラリアでの取引に慣れてくるとダマシで苦しむこともあります。
ワイルダーのRSIを使っていてダマシに遭っているなら、カトラーのRSIに切り替えてみるのもおすすめです。
性質の違うRSIがあることを念頭に置いて、自分に合っている方を使っていきましょう。